CDの次に来るものを考えなさい。
ソニーミュージック(SME)の役職者以上を集めた毎年行われる「グループ・ミーティング」と言う会議の場でSME名誉会長であり、コンパクト・ディスク(CD)の生みの親でもある大賀典雄さんは、常にこの言葉を発していました。
同年10月1日、ソニーは先陣を切って第1号機「CDP-101」を発売した。エジソンのホノグラフ発明から100年余、レコード技術は、大体四半世紀(25年)ごとに、大きな技術革新を迎えてきた。円筒方式から円盤レコードへ、電気式レコードの登場そしてLPレコードへ、モノホニックからステレオへ。そして100年目にデジタルオーディオ技術が花開いた。
*「Sony History」より引用 http://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/SonyHistory/2-09.html
ぼくがこの大賀さんの言葉を最初に聞いたのは2006年。CDの生まれた1982年からは既に24年が経過していました。
この頃、音楽配信サービスも始まっていました。でも大賀さんは、音楽配信がCDの次に来るものとは考えていなかったようです。
「今さら何を言ってるんだよ!?」と言う声も聞こえてくるかもしれません。音楽配信なんて古いよ、Spotifyみたいな聴き放題(サブスクリプション)サービスだろ!と言う人もいるかもしれません。でもこういったノン・パッケージの音楽サービスに決定的に欠けているものがあります。アーティストのライヴでサインできないのです。そして、ライヴやコンサートなどの生演奏は、アーティストにとって基本的活動であり、まさに命。これは実に致命的です。
SIMPLE IS BEST(*和製英語かもしれませんが)
同じソフトでも、音楽と映画ではその楽しみ方は大きく異なります。それは何か。繰り返し楽しむかどうかです。映画も良いものは繰り返し観ることもあるかもしれませんが、大好きな音楽は何十回、何百回と繰り返し楽しむものです。そして、繰り返し楽しむためには、シンプルさがマストなのです。
レコードやCDよりも良い音で、これまでと変わらずシンプルな方法で、且つ今の時代に合った楽しみ方の出来るメディア。音楽業界の復活には、これがマストではないかと思う次第です。