梅雨本番の季節ですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?雨の多いこんな季節こそ、家で過ごす時間が多いかと思います。なかなか音楽を聴く時間のない忙しい方も、こんな時はゆっくりと音楽を楽しみたいですね。
さて、いよいよApple Musicもスタートし、新たな音楽の楽しみ方が広がってきた昨今ですが、皆さまのお好みの音楽を楽しむスタイルはいかがでしょうか?
新しい音楽のスタイルって何?なんて方もいらっしゃるかと思いますので、今一度最近の流行りも含めた音楽の楽しみ方を整理したいと思います。
1.CD
まぁこれは最もノーマルな楽しみ方というか、簡単でそこそこ音もよく、綺麗なブックレットなどでビジュアル的にも楽しめるパッケージの形ですね。1980年代に商品として販売がスタートしたCDも、最近では素材や製造工程を改良し、従来のCDに比べて高音質化を図った、CDマスターに出来るだけ近い音質を実現した高音質CDも各社から販売されています。
2.音楽ダウンロード・サービス(圧縮音源)
アップルのiTunesを代表とする音楽ダウンロード・サービス。2000年辺りからスタートして、様々なサービスが立ち上がりました。日本ではレコチョクが旧来の携帯(ガラケー)に向けた着うたサービスで売上を急増させましたが、スマホの台頭に伴いiTunesが一気に市場を制圧してしまいました。ネットさえ繋がればどこにいても1曲ずつ購入できて、CDに比べて安くて、すぐ楽しめると言うメリットがありつつも、圧縮音源のためにCDに比べると音質的には劣ります。
3.音楽ダウンロード・サービス(ハイレゾ)
ハイレゾの音楽配信、これはより良い音で音楽を楽しみたいという昨今の流行りで、日本ではe-onkyoさんが2005年のサービス開始から10年もの歴史を誇ります。16bit/44.1KHzと言うスペックの定まったCDに比べ、24bit/96KHz辺りのスペックを中心とした高音質化が図られています。スタイル的には2の音楽ダウンロード・サービスと同じものの、音質的にCDを遥かに超える高音質のため、ダウンロードするデータ量はアルバム1枚で約1GBを超える大容量となります。価格的にもCDより高いのですが、ネットの高速化、ストレージの大容量化、パソコン・デバイスの高性能化に伴って、高音質を求めるお客さまを中心に徐々に人気が出てきました。課題は大容量データのライブラリ管理ですね。
4.USB、SDカード、Blu-rayなどのハイレゾ・パッケージ
ハイレゾのパッケージといえば、さきがけはSA-CDとDVD Audioでしょう。しかし、いずれも再生機器の問題で普及に至りませんでしたが、ここに来てまた新たなメディアが出てきています。USBはほぼ全てのパソコンで装備しているので、ダウンロードしたデータはいつ消えるかわからないし、パッケージの方が安心という方には人気です。SDカードも同様。Blu-rayディスクのハイレゾ・タイトルもリリースされていますが、これも最近のパソコンにはこうしたディスクを再生するドライブが無かったり、Blu-rayプレイヤーはテレビには繋いでいてもオーディオ機器には繋いでなかったり。いろいろ難しい。ちなみに、6年前の2009年末に発売されたビートルズのハイレゾ、USBボックス・セットは画期的すぎて時代的に早すぎましたね....
5.音楽ストリーミング・サービス
そしていよいよ日本でも本格的に各社が本腰を入れてスタートしたのがこの音楽ストリーミング・サービス。本命はApple Music、そこに挑むのはスマホのサービスで有名なLINEがAVEX、SMEと手を組んで参入したLINE MUSIC、サイバーエージェントがAVEXと組んで参入したAWA、そして海外では先行しているものの日本では未参入のSpotifyがいつやってくるのか?ソニーはMusic Unlimitedを先行していましたが一旦終了、アメリカではSpotifyと組んでPlayStation Musicと言う名前で再スタートを切っています。
概ね、どこも月額千円で聴き放題。何でも聴けて千円ポッキリって、3〜4曲聴くのに100円払っていたジューク・ボックス時代を思えば夢のようなサービスですが、果たして本当にそれがアナタの求めている音楽スタイルでしょうか?
実はそこはよく考える必要があります。Music Unlimitedが今年サービスを終了した時、愛用していたユーザーの皆さんから聞こえてきた声は、サービスが終了した瞬間に全てがゼロになってしまう、と言うものでした。例えば、10年間このサービスを使ったとします。年間12,000円、10年では12万円という大きな金額です。もし2,500円のCDを買っていたとしたら、毎年5枚弱のアルバムを買ったとして10年後には48枚のライブラリが自宅に残っています。しかし、ストリーミング・サービスでは、サービスが終了したら何も残りません。自分の好きな音楽がまた聴きたいと思っても、また他のサービスに加入するか何らかの形で新たに購入しなければ聴くことは出来ません。CDなんて邪魔だし、家に置きたくないという方には非常にいいサービスです。しかし、思い出とともに、好きな音楽はいつでも聴ける環境に持っていたいという方には、やはりパッケージの方が向いているのではないかと思います。
さて、独断と偏見で各音楽サービス形態による比較表を作ってみました。アナタはどれを選びますか?アーティストからすれば、自分の作った作品はお客さまに出来るだけ良い音で聴いていただきたい、というのが本音です。お金に余裕があれば両方、つまりストリーミングで楽しみつつ、手元に置いておきたい作品はパッケージもしくはダウンロードして買うってのがベストでしょうか?(笑)
【音楽サービス形態による比較表】
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価格
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音質
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手軽さ
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ビジュアル
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必要条件
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難点
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12万円で聴ける量
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CD |
普通
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良い
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手軽
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紙のブックレット
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CD再生環境
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枚数が増えると
場所を取る
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2,500円の
CD 48枚
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Download |
安い
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そこそこ
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手軽
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基本はジャケのみ
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ネット環境
PC or スマホ
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ライブラリの
管理が大変
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250円の
楽曲480曲
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Hi-Res download |
高い
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非常に良い
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少し面倒
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基本はジャケのみ
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ネット環境
ハイレゾ再生環境
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ライブラリの
管理が大変
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3,000円の
アルバム40枚
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Hi-Res package |
高い
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非常に良い
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手軽
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デジタル・ブックレットが付属(?)
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ハイレゾ再生環境
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枚数が増えると
場所を取る
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3,000円の
アルバム40枚
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Streaming |
安い
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そこそこ
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手軽
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基本はジャケのみ
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ネット環境
PC or スマホ
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サービスが終了
したら聴けない
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月額1,000円で
10年間
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