T5Jazz Recordsでは昨年7月より、ソニーの提供する音楽聴き放題サービス「Music Unlimited」の【ベストヒッツ JAZZ】と言うチャンネルのセレクションを担当させて頂いております。昨年はジャズの入門的な、かな〜りベーシックなセレクションをしてまいりましたが、今年から徐々にその幅と深さを広げて行きたいと思っています。
そこで、少しこのHPでセレクションのフォローをしようかな?と思います。Music Unlimitedでは楽曲が自由に聴けますが、文字要素を入れられるスペースが非常に限られているため、ジャズ入門者だと「これは???」となる可能性も非常に高く、少しでもその理解を深められるような簡単な解説をここで出来ればと思います。よろしくお願いします。
さて、現在公開中の第14回は映画のサウンドトラックで使われているジャズ特集。
ジャズ・ミュージシャンやジャズをテーマに扱っている映画もありますが、テーマ関係なくサウンドトラックとしてジャズの曲を取り上げているものからもピックアップしています。よく知っている映画からジャズを掘り下げるのもジャズの深遠な世界に入る良いきっかけではないでしょうか?好きな音楽が使われている映画を見るというのもまた楽しい。
尚、サウンドトラックがMusic Unlimitedにアップされていないものは、オリジナル・アルバムからピックアップしています。
1. Laura / Charlie Parker
クリント・イーストウッド監督、チャーリー・パーカーの人生を描いた映画「バード」より。チャーリー・パーカーの音源って録音が古いため非常に音が悪いので有名ですが、オリジナルのチャーリー・パーカーの演奏に、レニー・ニーハウスによるリズム・セクションの音を重ねると言う当時の最新技術を使うことで、非常にモダンなサウンドに仕上がっています。主演のフォレスト・ウィテカーがパーカーを好演。
2. Straight, No Chaser / Thelonious Monk
これまたクリント・イーストウッド製作総指揮、セロニアス・モンクのドキュメンタリー作品「ストレート・ノー・チェイサー」より。こちらは貴重な本人の演奏と映像、関係者の証言をうまくまとめあげた作品。モンクの行動や言動が非常に愛らしく、改めて彼の素晴らしい音楽を聴き直したくなる作品です。
3. 'Round Midnight / Bobby McFerrin
デクスター・ゴードン、ハービー・ハンコックが出演する、50年代末のパリを舞台とした伝説のジャズ・ミュージシャンを描いた映画「ラウンド・ミッドナイト」より。モデルは夭折の天才ピアニスト、バド・パウエル。音楽を担当したハービー・ハンコックはアカデミー作曲賞を受賞。
4. Main Title And Anatomy Of A Murder / Duke Ellington
1959年にアメリカで公開された「或る殺人」(原題: Anatomy Of A Murder)と言う映画のサウンドトラックをデューク・エリントンが担当したもの。
5. Alfie's Theme / Sonny Rollins
2004年にはジュード・ロウ主演のリメイク版も作られた名作映画「アルフィー」より。1966年版では音楽をソニー・ロリンズが担当。バート・バカラック作曲によるアルフィーのテーマも有名ですね。
6. Générique / Miles Davis
マイルス・デイビスが音楽を担当した、1958年フランス映画「死刑台のエレベーター」より。既に映画より音楽のほうが有名かもしれませんね。
7. Main Title (Blow-Up) / Herbie Hancock
1967年のイギリス・イタリア合作映画「欲望」(原題: Blow-Up)より。ジェフ・ベックとジミー・ペイジがヤードバーズとしてゲスト出演しているという、音楽ファンには必見の映画です。
8. Untitled Percussion Composition / Charles Mingus
1962年の映画「アメリカの影」(原題: Shadows)より。
9. Moonlight Serenade / The Universal International Studio Orchestra
こちらはお馴染み、グレン・ミラーの生涯を描いた映画「グレン・ミラー物語」(原題: The Glenn Miller Story)より。
10. Don't Be That Way / Benny Goodman
そしてこちらはキング・オブ・スウィング・ジャズ、ベニー・グッドマンを描いた「ベニイ・グッドマン物語」(原題: The Benny Goodman Story)から。心が暖まる映画です。
11. The Five Pennies / Danny Kaye
コルネット奏者レッド・ニコルズの半生を描いた1959年の映画「5つの銅貨」(原題: The Five Pennies)より。
12. Kimberley Trumpet / Miles Davis/Michel Legrand feat. Chuck Findley
マイルス・デイビスが1991年に急死する直前に出演したジャズ映画「ディンゴ」より。音楽はマイルス・デイビスとミシェル・ルグラン。
13. I May Be Wrong (But I Think You're Wonderful) / Doris Day, Harry James & His Orchestra
1951年の映画「情熱の狂想曲(ラプソディ)」(原題: Young Man With A Horn)より。
14. For Heaven's Sake / Chet Baker
チェット・ベイカーの生涯を描いたドキュメンタリー映画「レッツ・ゲット・ロスト」より。貴重な映像と共にスナップ写真、関係者のインタビューなど、ジャズ・ファンなら必見のドキュメンタリーです。ちょっと観ていて切なくなる映画。
15. Recollections / Miles Davis
名監督ガス・ヴァン・サント、主演ショーン・コネリーによる映画「小説家を見つけたら」(原題: Finding Forrester)より。心温まる実に素晴らしいドラマを支えるのは、ハル・ウィルナーによるマイルス・デイビス、オーネット・コールマン、ビル・フリゼール、そしてハワイ出身のイズレエル・カマカヴィヴォオレと言う音楽。現代文学、そして現代ジャズへのオマージュが込められた感動大作です。これ、私が国内盤CDリリースを担当し、ピーター・バラカンさんにライナーノーツを書いていただきました。未だによく聴く超オススメ作品。
16. A Felicidade / Antonio Carlos Jobim
1959年の映画「黒いオルフェ」より。これ、よく調べたらブラジルの映画なんだけど、監督がフランス人なんですよね。どおりで暗いわけです(笑)。でも音楽は最高ですよ。ボサノヴァ、ブラジル音楽に興味があったら必見。
17. Over The Rainbow/What A Wonderful World / Isreal Kamakawiwo'ole
前述の「小説家を見つけたら」の他、「50回目のファースト・キス」や「ジョー・ブラックをよろしく」などでも使われている感動の超有名曲。歌っているハワイ出身のイズレエル・カマカヴィヴォオレはハワイ出身の力士を歌った曲『曙〜、武蔵丸、アンド小錦〜』で、日本では一時有名になりましたね。
18. Last Tango / Gato Barbieri
「ラストタンゴ・イン・パリ」と言う男女関係を描いたちょっとエロティックな映画から。ガトー・バルビエリのサックスがドンピシャでハマっています。
19. The Golden Striker / The Modern Jazz Quartet
1957年「No Sun In Venice」と言うフランス/イタリア映画から。音楽をジョン・ルイスが担当、演奏はMJQによるもの。
20. My Funny Valentine / Dave Grusin and Michelle Pfeiffer
ミシェル・ファイファー主演、デイヴ・グルーシンが音楽を担当した1990年作品「恋のゆくえ」(原題: The Fabulous Baker Boys)から。なんとこの曲はミシェル・ファイファー自身が歌ったもの。ジャズ・マンを描いた人間ドラマ、雰囲気もあって実に素晴らしい映画です。
21. The Best Is Yet To Come / Joshua Redman
22. Fly Me To The Moon / Frank Sinatra feat Count Basie And His Orchestra
クリント・イーストウッド監督・主演作品、最近は某携帯会社のCMでも有名なトミー・リー・ジョーンズも出演した人気作品「スペースカウボーイ」。何と言っても映画の最後に流れるフランク・シナトラの「Fly To The Moon」が最高なのですが、ジョシュア・レッドマンのこの演奏も素晴らしい。ジャズ好きのクリント・イーストウッドらしい作品。
23. What'd I Say Parts I & II / Ray Charles
ソウルの神様、レイ・チャールズの生涯を綴ったヒューマン・ドラマ「レイ」より。主演のジェイミー・フォックスはアカデミー主演男優賞を受賞。これも感動大作です。
24. It Had To Be You / Harry Connick, Jr.
ニューヨークを舞台としたメグ・ライアン主演のコメディタッチのラブ・ストーリー「恋人たちの予感」(原題: When Harry Met Sally... )より。音楽はハリー・コニックJr.が担当し大ヒットしました。また観たいなぁ。
25. Chan Chan / Buena Vista Social Club
ライ・クーダーがキューバのミュージシャンたちと作り、1997年にグラミー書を受賞した同名の音楽作品を元に制作された映画。ハバナの情緒豊かな素朴な風景も美しいし、スタジオでマイク一本でのレコーディング・シーンなど、音楽の原点を改めて考えさせられる素晴らしい映画。
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2014年1月24日金曜日
2014年1月22日水曜日
音楽を何で聞きますか?アンケート結果報告です!
昨年一年間、こちらのHP上でアンケートを展開していました。お題は「音楽を何で聴きますか?」の結果発表(複数選択可能)です。ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
意外と言うべきか、車離れが騒がれる中で、カー・オーディオと言うのが最も多く、僅差でコンポ、外部スピーカーの付いたパソコンというのが続きます。
少なくともジャズに興味のある方が対象になっていると思いますので、ごくごく一般の音楽リスナー対象とは、かなり異なる結果だとは思いますが、それなりに音楽と音楽を聴く環境にお金がかかっているのかな?と言うのが読み取れるかと思います。逆にジャズ好きの方はお金を持っているってこと?(笑)
ちなみに、カー・オーディオが最も多いってのは車の移動中くらいしか時間がないのでしょうか?それとも、周りを気にせず大音量で聴けるから、とか?
レコ協調査だと車で聴く人は30%にも満たないが、iPod/WalkmanなどのDAP(DIgital Audio Player)と呼ばれる機器では40%近くに上りますし、パソコンで聴く人は50%を超えます。ちなみに、私が前職でリサーチした時はパソコンで聴く人は70%を超えていました。
*レコード協会調査結果(2012年)
また、時々こういったアンケート等実施したいと思いますので、是非皆さまご協力のほど、よろしくお願いします。
2014年1月18日土曜日
InterFM「Jazz Conversation」収録してきました!
今日は類家心平がジャズ・ジャーナリスト小川隆夫さんのラジオ番組「Jazz Conversation」にゲスト出演するため、InterFMさんにお邪魔してきました〜。
小川さんは類家心平の新作「4 AM」を聴いて、60〜70年代にジャズ・クラブで一所懸命聴いていた熱い演奏を思い出すと、とても熱く語ってくださいました。
番組中では類家心平のトランペット生演奏も披露させていただきました。
番組のO.A.は1月26日 午後6時から2時間番組です。是非、お聴きくださ〜い!
2014年1月16日木曜日
Ronny Jordan (1962-2014)
今日は実に悲しいお知らせです。
ちょっと信じられなくて、またネットのガセネタニュースか?と思いたくて、T5Jazz Recordsのトピックとしては扱わなかったのですが、BBCやBillboardの記事になっているということは事実なのでしょう。本当に残念で仕方ありません。
実は私はソニーミュージック時代にジャズの制作担当としてN-Coded Music移籍後からリリースされた2タイトル、「At Last」と「After 8」を国内盤担当としてリリースさせていただきました。
移籍直後の「At Last」と言うタイトル通り、実はロニー・ジョーダンはこう言うコンテンポラリーなリラックスしたアルバムが作りたかったんだと語っていて、大ヒット作の「the Antidote」に収録されたマイルス・デイビスの名曲<So What>のカバーで大ファンとなった個人としては微妙な気持ちながら、ロニー・ジョーダンが作りたかった作品の国内盤をリリースできる喜びに心震えたものでした。どちらのアルバムもスムース・ジャズ路線に近づきつつも、ロニー節のギターは健在の好アルバムでした。
また一人、ジャズ・シーンの重要人物が亡くなってしまいました。しかし、ビルボードでも死因がわからないというのも、ちょっと解せないですね。どうぞ安らかに。あの世でも好きなギターを弾きまくって欲しいですね。
コンテンポラリー・ギタリストとして、シーンを牽引してきたロニー・ジョーダンが51歳と言う若さでこの世を去ってしまいました。
実は私はソニーミュージック時代にジャズの制作担当としてN-Coded Music移籍後からリリースされた2タイトル、「At Last」と「After 8」を国内盤担当としてリリースさせていただきました。
移籍直後の「At Last」と言うタイトル通り、実はロニー・ジョーダンはこう言うコンテンポラリーなリラックスしたアルバムが作りたかったんだと語っていて、大ヒット作の「the Antidote」に収録されたマイルス・デイビスの名曲<So What>のカバーで大ファンとなった個人としては微妙な気持ちながら、ロニー・ジョーダンが作りたかった作品の国内盤をリリースできる喜びに心震えたものでした。どちらのアルバムもスムース・ジャズ路線に近づきつつも、ロニー節のギターは健在の好アルバムでした。
また一人、ジャズ・シーンの重要人物が亡くなってしまいました。しかし、ビルボードでも死因がわからないというのも、ちょっと解せないですね。どうぞ安らかに。あの世でも好きなギターを弾きまくって欲しいですね。
2014年1月7日火曜日
FMヨコハマ「濱ジャズ」収録してきました〜!
類家心平の新年一発目稼働、FMヨコハマ「濱ジャズ」にゲスト出演してきました〜。
番組前の打合せでDJのゴンザレス鈴木さんが、類家のトランペットを評して「北国ジャズ」と仰るので、番組中にOAされた「4 AM」を聴いていたら、雪景色が浮かんできました(笑)。
日時: 2014年1月30日(木)
場所: モーション・ブルー・ヨコハマ
予約: 045-226-1919 (11:00 am - 10:00 pm)
日時: 2014年2月3日(月)
場所: ビルボードライヴ大阪
予約: http://www.billboard-live.com/reservation/o_index.html
日時: 2014年2月5日(水)
場所: 名古屋ブルーノート
予約: http://www.nagoya-bluenote.com/reservation/index.html
番組前の打合せでDJのゴンザレス鈴木さんが、類家のトランペットを評して「北国ジャズ」と仰るので、番組中にOAされた「4 AM」を聴いていたら、雪景色が浮かんできました(笑)。
後ろのボードにあるように、noonさんも番組収録にいらっしゃっていて収録合間にご挨拶。楽しい収録でした。
尚、番組のOAは1月24日 26時30分(1月25日 2時30分)となります。深い時間帯ですが、是非お聴きください!
そして、番組でも告知させていただきましたが、いよいよ「4 AM」発売記念ライヴが今月末に迫りました。東名阪(横名阪?)でライヴがありますので、是非あのサウンドを生で体感ください!
Shinpei Ruike "4 AM" Release Tour
場所: モーション・ブルー・ヨコハマ
予約: 045-226-1919 (11:00 am - 10:00 pm)
日時: 2014年2月3日(月)
場所: ビルボードライヴ大阪
予約: http://www.billboard-live.com/reservation/o_index.html
日時: 2014年2月5日(水)
場所: 名古屋ブルーノート
予約: http://www.nagoya-bluenote.com/reservation/index.html