やはり、村上春樹さんの文体に彼独特のリズムがあって読み易く、また小澤征爾さんの言葉と内容(村上春樹さんによって表現には多少手が加わっていると思いますが)が実にわかりやすく、非常に面白い。この本を読むと、譜面を読めるようになってみたいと思うし、ここに出てくるあらゆる方、小澤征爾さんは勿論のこと、バーンスタイン、カラヤン、グールド、ゼルキン、内田光子、サイトウ・キネンなどなど、数多くのクラシック作品を聴いてみたいと思ってしまいます。特にマーラーに関しては、古い作品ではマーラーを理解しきれていなくて、と言うか解釈が昔と今と違っていて、最近になってようやくいい演奏が出てきたって、まるで建築で言えばガウディ的な、100年以上たってようやく形になってきたみたいな感じなんでしょうか?(笑)
村上さんのコメントで、文章にもリズムがないとそんなの誰も読まないんだ、と書かれていました。最近、本を読むことが苦痛に感じていて、それは自分に根気がなくなったんだと思っていましたが、これは書く側の問題なんだと痛感しました(笑)。
小澤さんのコメントも非常に面白い。アシスタント時代の苦労話、カラヤン先生(小澤さんはこの本の中でそう呼んでいる)が指揮するときの面白い話など、読んでいて思わずクスっとなってしまいます。
ジャズ界にも小澤征爾さんのような方がいらっしゃると、もしくは今回のように村上春樹さんがこの本のジャズ版のようなものを執筆されると、ジャズを聴いてくれる人がもっと増えるのかもしれないけれどなぁ。
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